FACT
FACT
FACTはハイエンドなレンダリング/アニメーションプログラムであるElectricImage™で使用するファイル形式です。FACTファイルはモデルをポリゴンの集まりとして記述します。ポリゴンはグループで編成されています。インポートすると、ElectricImage™はテクスチャまたはカラーなどの属性をポリゴンのグループに割り当てることができます。ポリゴンを個別に操作することはできません。ポリゴンには複合ポリゴンまたは三角形(3辺)と四角形(4辺)を使用できます。
FACTファイルのインポート
FACTファイルは標準的な方法でform•Zに取り込まれます。[モデリング取り込みオプション:FACT]ダイアログにはFACT固有オプションが1つあります。
[サブポリゴンを保つ]:FACTサーフェースを5つ以上の点で構成される複合ポリゴン、または最大4つの点で構成されるサブポリゴン(三角形と四角形)で表現できます。複合ポリゴンの面は通常ElectricImage Transporterユーティリティでサブポリゴンに分解できます。FACTファイルではサーフェースを複合ポリゴンまたはサブポリゴンのグループのいずれかで表現できます。また、両方の表現を同時に使用できます。特定のサーフェースに関して2種類の表現の一方しか使用できない場合には使用可能な表現がform•Zへ入力されます。両方の表現が使用できるときは1つだけインポートします。[サブポリゴンを保つ]を選択すると、サーフェースのサブポリゴンをインポートします。複合ポリゴンの表現は破棄されます。このオプションを選択しないときは、逆の事象が発生します。
FACTファイルのエクスポート
form•Zプロジェクトの内容は標準的な方法でFACTファイルとして書き出されます。[モデリング書き出しオプション:FACT]ダイアログには共通オプションに加えて、次のようなFACT固有オプションがあります:
[Electric Image バージョン]:書き込まれたFACTファイルと互換性のあるElectric Imageのバージョンを指定します。デフォルトはバージョン2.9です。
[階層を含む]:このオプションは[グループ化の方式]に[レイヤで]または[グループで]を設定しているときだけ使えます。このオプションをオンにすると、グループ階層をFACTファイルに含めます。レイヤによってグループを形成するときは、階層は1段階だけで、レイヤ上の各オブジェクトをそのレイヤの子供とします。form•Zのグループごとにグループを形成するとき、FACT階層はform•Zのプロジェクト内のオブジェクトのネストしたグループ状態を反映するようになります。
[面を分解]:選択すると、エクスポートする前にすべての面をサブポリゴンに分解します。面はサブポリゴン以外に分解されません。ただし、穴が存在するときは、常に外側の輪郭とつなげます。ElectricImage Cameraは三角形と四角形のみレンダリングします。このため、エクスポートしたときに分解しなかった面はElectricImage Transporterユーティリティで分解する必要があります。
[グループの中心位置を含む]:このオプションを選択したときはグループの中心(X、Y、Z座標の平均)をFACTファイルに含めます。このオプションを選択しないときはワールド原点をグループの基準点とします。
[高精度]:オンにすると、座標データを10バイトの浮動小数点数として書き込みます。このオプションをオフにしたときは座標データを4バイトの浮動小数点数として書き込みます。[高精度]をオンにするとファイルサイズが大きくなりますが、精度が上がります。form•Zや他のモデリングプロジェクトでFACTファイルを開くことを想定しているときには、このオプションによりデータ整合性を高めることができます。レンダリングアプリケーションの場合、通常は精度を上げる必要がありません。
テクスチャの操作方法
FACTファイルは指定色と画像マップに加えて、粗さ、ハイライトのカラー、透過率、 屈折率のパラメータもサポートしています。これらのパラメータは画像マップとともにあるときだけ転送されます。FACT形式はバンプの振幅とバンプマップもサポートしています。
テクスチャマップを参照しているFACTファイルをインポートするときは動作しているプラットフォーム上のform•Zで認識される画像の全種類を正当なテクスチャマップと考えます(具体的にはform•ZとElectricImage™の両方でサポートされているTarga)。ElectricImage™の画像形式のテクスチャマップはElectricImage™のProjectorユーティリティを使用する前に変換して、手動でform•Zマテリアルと関連付ける必要があります。
変換されるテクスチャマップコントロールパラメータは原点と回転です。変換可能なマッピングの種類はフラット、立方体、円柱、球状です。他のマッピングの種類はデフォルトの立方体になります。タイリングパラメータの場合、サイズ、中心(垂直方向の円柱以外)、ミラー反転を変換します。
テクスチャマップ付きFACTファイルを変換するときに上記以外で考慮すべきことは次のとおりです:
- FACTファイルは同じテクスチャマップの参照を複数持つことができます。FACTファイルを取り込むとき、form•ZはFACTファイル内で検出された画像マッピング名とバンプマッピング名の組み合わせごとに、個別のマテリアル(マッピングを含む)を作成します。テクスチャマッピングのこの組み合わせがFACTファイル内で再び参照された場合、form•Zはすでに作成されているマテリアルを再利用します。
- form•Zでは、FACTファイルから読み込まれるテクスチャマッピングは現在アクセスされているFACTグループに適用されます。
- FACTテクスチャマッピングに画像マッピングとバンプマッピングの両方が含まれている場合、form•Zは画像マッピングの制御だけを変換します。バンプマッピングは同じ制御を共有します。
- エクスポートしたバンプマップをElectricImage™で正しくレンダリングするには、エクスポートしたバンプマップがバンプマップのアルファチャンネルを使用する必要があります。
- ハイライトのカラー、粗さ、透過率、屈折率は画像マップを持っているマテリアルとともにあるときだけエクスポートできます。