• レンダーゾーン概要

    RenderZoneオプションはLightWorks社のレンダリングエンジンをベースとしたレンダリングソフトウェアです。標準、Z- バッファ、レイトレーシングの3つのレンダリングタイプが用意されており、使用目的によって最適なレンダリング方式を選ぶことができます。標準レベルで3次元モデルの画像作成を開始してから、徐々に設定を変更し、最終的には写真のようなレベルの画像をレンダリングすることもできます。

    RenderZoneオプションはグローバルイルミネーションを使ったレンダリング機能もサポートしています。これにより、周囲からの光の照り返しを精密に計算し、リアルなレンダリング画像を作り出すことができます。RenderZoneオプションのその他の機能としては、グローバルイルミネーション、ファイナルギャザリング、アンビエントオクルージョン、ラジオシティの技術があります。これらの技術は個別または組み合わせて使用することができます。

    シーンには、1個以上のライトを使うことができます。使用できるライトの種類も、環境光、平行光(太陽光)、スポットライト、点光源、プロジェクター、任意のライト、線光源、環境光源、天空光と多種にわたっており、シーンに合わせて使いわけることができます。ライトは画像内で光っているように見せることができます。また、空中のちりの粒子に光が反射する様子をシミュレーションする機能もあります。環境光源と天空光は、最も高度なライトで、特にグローバルイルミネーションに対して最適化されています。その他の種類のライトはソフト(マッピング)な影とハード(レイトレーシング)な影を作ることができます。

    立方体/球体の環境マッピング、バンプ、アルファチャンネル対応の背景、デプス効果、ポストプロセスエフェクトもサポートします。ブラーはポストプロセスエフェクトの一種で、ピンボケ効果を演出します。空の背景はプログラムによって作り出されたものですが、カメラで撮影した本物の空のように自然で違和感がありません。

    最新のシェーダーを使用して表面や他のエフェクトをレンダリングすることができます。マテリアルは最大4個のシェーダー(カラー、反射、透明度、バンプ)で定義されます。シェーダーで使用する模様は、事前に撮影した画像やプログラムで作成した画像を使用します。透明度、反射、屈折はZ-バッファとレイトレースによるレンダリング方式で利用することができます。Z-バッファ方式でレンダリングされるときも反射と屈折は正確にレイトレーシングによって生成されます。これは反射のない表面をZ-バッファでレンダリングし、反射のあるサーフェスのレンダリングエフェクトはレイトレーシングを使って生成する混合レンダリング方式によって実現されています。

    お使いのコンピュータがマルチプロセッサに対応している場合、レイトレーシングレンダリングを高速化することができます。

    フォトリアルではない、手書き風の画像を生成するスケッチレンダリングモードも搭載しています。この機能を使用すると、油彩画、水彩画、鉛筆画などの手描きのような雰囲気のある画像を作ることができます。

  • ファイナルギャザリング

    ファイナルギャザリングは光を不均一に分布することで間接光をシミュレートします。シーン内の光の反射1回分を事前に計算することで、これを実現しています。この処理の結果、光が直接届かない領域に光が当たるようになります。複数回の光の反射を計算するラジオシティを使えば、さらに正確な間接光を計算できます。ファイナルギャザリングはとてもリアルな照明が表現できる環境光源や天空光などの高度なライトとラジオシティの照明を組み合わせて実現します。より良い品質の画像を作るには、アンビエントオクルージョンも組み合わせるとよいでしょう。

  • アンビエントオクルージョン

    アンビエントオクルージョンはRenderZoneのグローバルイルミネーションの中で最も単純な方法です。アンビエントオクルージョンの制御は簡単です。2~3のパラメータを操作するだけで、奥行き感の少ないフラットな画像をリアルで立体的なシェーディング画像に変えることができます。アンビエントオクルージョンは室内と屋外の両方のシーンに使用できますが、レンダリング時間は少し長くなります。

  • アドバンスドライト

    RenderZoneには平行光、点光源、スポットライトなどの基本的なライトに加えて、天空光やIESライト(配光が均一ではない光源をより正確にシミュレーションする)などの高度なライトも用意されています。高度なライトとしては、天空光、エリアライト、線光源、環境光源があります。

  • HDRI

    ハイダイナミックレンジ画像(HDRI)を環境光源に使用すると、なめらかな影と複雑な光のあるリアルな画像を作ることができます。HDRIを環境の映り込みや背景画像としても使用すると、1回のレンダリングでこれらの要素をすべて組み合わせることができます。

  • ボリュームシャドゥ

    RenderZoneは光と空中のちりの粒子の様子をシミュレーションし、ボリュメトリックシャドウとしても知られている光のエフェクトを作成することができます。特定の種類のライト1個ごとにこのエフェクトを使うことができます。

  • マテリアル

    シェーダーと呼ばれるミニプログラムを使用して表面や他のエフェクトをレンダリングします。マテリアルは最大4個のシェーダー(カラー、反射、透明度、バンプ)で定義されます。シェーダーは大きく分けて二つに分類されます。一つは、画像ファイルを使用したテクスチャマップ。もう一つは、プログラムによって生成されるパターンです。後者がプログラム内部でその都度作り出されるのに対し、前者は、あらかじめ用意された画像ファイルを使用し、サーフェースにマッピングしたり、サーフェースに画像を描画したり、透明度フィルタやバンプマッピングとして使用したりします。

    物体表面における光の反射は、処理の高速化のためにシェーダーでシミュレーションしたり、ガラスやメタリックのような効果を効果を出すためにレイトレースを使って精密に計算させたりすることができます。フレネルフィルタリング方式を使った光の反射の計算では、ある入射光が、与えられたサーフェースの属性によって反射するとき、入射角度によってどのように変化するかを指定します。

  • ライブラリ

    マテリアルは一から作成することもできますが、マテリアルライブラリから選択することもできます。マテリアルライブラリには、メタル/ガラス/レンガ/石/木など一般的によく使用される一連のマテリアルがあらかじめ用意されています。マテリアルのはドラッグ&ドロップすることによってオブジェクトに割り当てることができます。

  • デカル

    デカルを他のマテリアルの上部に貼り付けると、ラベル、壁の落書き、部分的に異なる材質、透明度によるクリッピングなど、いろいろなレンダリング効果を作り出すことができます。1つのオブジェクトに対し、最大32個のデカルを適用できます。デカルは自由に重ねることができるので、レンダリングエフェクトは実質上無制限に組み合わせることができます。

  • ポストプロセス

    完成した画像に特定のレンダリングエフェクトを追加することができます。シーンの再レンダリングは必要ありません。エフェクトの種類は3つ。それぞれ、デプスブラー、レンズフレア、露出コントロールです。1つの画像にこれらのエフェクトを1つずつ、または互いに組み合わせて使用することができます。各エフェクトはすぐに実行されるので、多数の選択肢をインタラクティブに確認することができます。

  • レンダリングプロセス

    レンダリングプロセスは、エフェクトを追加する度にリアルな画像になりますが、その代わりレンダリング速度が低下します。はじめてレンダリングするときは単純なシェーディングがいいでしょう。そして、画像をリアルにするためにグローバルイルミネーションエフェクトを追加していきます。シーンの一部だけをレンダリングすることによってレンダリング時間を節約することができます。

  • スケッチレンダリング

    スケッチレンダリングは別のレンダリングプラグインです。初期のRenderZoneレンダリングをベースにして、従来のいろいろな画法を使って手描きしたような画像にするエフェクトを追加します。