V-Ray 5 for formZ 新機能概要

V-Ray 5 for formZは(V-Ray 3をベースにしていた) V-Ray for formZに対するメジャーアップデートです。このダブルアップデートにはV-Ray 4 (別名V-Ray Next)とV-Ray 5の全ての機能が含まれています。効率性と安定性の向上に加えて、次の主要な機能があります。


Frame Bufferの改善

新しく再設計されたVFB(V-Ray Frame Buffer)が導入されました。新しいアイコン、すっきりとしたデザイン、改善されたレイアウトに加えて、Light Mixなどの新機能も搭載されました。Light Mixを使用すると、再レンダリングを行うことなく照明の明るさや色合いを調整することができます。この機能を利用するとシーンの最終的な照明バランスを調整する際に、大幅な時間の節約をすることができます。また、ポストプロセッシング処理として、レンズエフェクトを追加したり、デノイザー(ノイズ除去機能)の調整を行うこともできます。


RTXハードウェアのサポート

V-Ray5は、NVIDIA社のRTX GPUのレイトレーシングハードウェアを使用してレンダリングを行う専用処理機能を搭載することにより、Windowsでのプロダクションレンダリングをさらに高速化できるようになりました。RTXのメリットはシーンの構成要素やシェーダーの複雑さによって異なるため予測することは難しいのですが、ある特定のシーンにおいては非常に大きな高速化が見込めます。RTXカードでのパフォーマンスの向上は専用のレイトレーシングハードウェアとそれにアクセスするために必要なAPIの組み合わせによります。詳細については、こちらの記事(英文をご参照ください。


アダプティブドームライト

アダプティブドームライトを使用すると、レンダリング速度を大幅に改善することができます。また、これまで必要としていたスカイライトポータル(窓などの室内空間の開口部付近に配置する擬似的な太陽光)の作成が不要となります。アダプティブドームライトは、シーン内のどの部分をサンプリングして、どの部分をサンプリングしないかを自動的に判断します。これにより、設定がとても効率的、かつ簡単になります。[アダプティブ]オプションはV-Ray 5ではデフォルトでオンになっています。


マテリアルの新機能(統合されたマテリアル編集)

全てのマテリアルパラメータがマテリアルパラメータパレットで直接編集できるようになりました。これにより、外部のV-Ray Material Editor (サポートされなくなりました)が不要になりました。3つの新しいマテリアルメソッド(両面/ブレンド/トゥーン)が追加されました。既存のマテリアルメソッドには、透光性/コート/輪郭(エッジ)だけでなく、より詳細なコントロールをするための追加パラメータがあります。(スプラット、スペックル、減衰を含む) 10を超える新しいテクスチャタイプが利用可能になり、それぞれのテクスチャをブレンドして新しいテクスチャを作成することもできます。また、各テクスチャにはパターンのレイアウトを制御するUVオプションが加わりました。

V-Rayマテリアルファイル(.vrmat)をインポートして、.vrmatパラメータを編集できます。また、マテリアルを .vrmatファイルにエクスポートして、他のプロジェクトやV-Rayアプリケーションで使用することができます。


V-Ray設定パレットの改善

デノイザーはレンダーエレメントから独立したタブに移動されて、アクセスしやすくなりました。設定のカテゴリーがアイコン表示で見やすく体系化されたため、様々なオプションを簡単に呼び出し編集することができます。レンダーエレメントに多数の新しいエレメントとオプションが追加され、操作性と機能性が改善されました。


デカルをサポート

デカルをV-Rayでレンダリングできるようになりました。