EPS
EPS
EPS(カプセル化された[=encapsulated] PostScript™)ファイルには単体ページの体裁を記述するPostScriptコマンドがあります。EPSファイルにあるコマンドはテキスト形式、ベクトルグラフィック形式、ピクセル画像形式の2D グラフィック情報を生成します。ベクトル形状はライン、円弧、ベジェ曲線のいずれかです。結合パスは基本形状を使用して構築できます。パスはいろいろな線種や太さで描画できます。閉じたパスをソリッドカラーやひな形のパターンで塗りつぶせます。一般に、EPSファイルの用途は他の文書に組み込まれること、または「カプセル化」されることです。つまり、EPSファイルを文書に組み込むときに、EPSファイルの内容を組み込み先文書のグラフィック形式向けに解釈したり、形を変えたりしません。ただし、EPSファイルにあるコマンドのダイレクトコピーは文書に組み込まれます。文書をPostScriptレーザープリンタなどのPostScript準拠の出力装置で印刷すると、出力装置がカプセル化されたPostScriptコマンドを実行し、冒頭のEPSファイルに記述したとおりのグラフィック情報を生成します。EPSファイルにプレビュー画像を加えることができます。EPSファイルを持つ文書はプレビュー画像を表示することでEPSファイルの内容を表示できます。ただし、仕上がったEPSファイルの内容は文書を印刷するまでわかりません。
EPSファイルのエクスポート
[書き出し画像:EPS]ダイアログと[書き出しオプション:EPS]ダイアログを開く[画像の書き出し]コマンド([ファイル]メニュー)を実行すると、form•Zウィンドウに表示されているものをEPSファイルとしてエクスポートします。ダイアログには形式固有のオプションがあります。
EPSファイルとして保存すると、アクティブなウィンドウに表示されているものをエクスポートします。モデリングウィンドウがアクティブなときはモデリングオブジェクトの3D表示ではなく、画面に表示された2D画像をエクスポートします。EPSファイルにおけるエクスポートする画像の表示方法(ベクトルデータまたはピクセルデータ)は画面の表示タイプによって変わります。隠線消去表示の画像はベクトルラインとしてエクスポートします。隠線消去表示以外のレンダリングはピクセル画像としてエクスポートします。
モデリングシーンをベクトルラインとしてエクスポートすると、線幅を[書き出しオプション:EPS]ダイアログのプルダウンメニューにあるアクティブな[線幅]オプションで指定します。ラインはすべてソリッドラインとしてエクスポートします。
モデリングシーンをピクセルデータとしてエクスポートすると、ピクセル画像の最大表示色数は[画像オプション]ダイアログで選択する[画像の階調]で指定します。ダイアログは[表示]メニューから開けます。たとえば、[画像オプション]ダイアログで[8bit(256)]を選択すると、ピクセル画像には最大256色のカラー値を持つことができます。シーンをベクトルデータとしてエクスポートすると、EPSファイルにエクスポートしたエンティティのカラー情報は現在の[画像の階調]の設定に関係なく、オブジェクト、面、ドラフティングエレメントそれぞれのカラー属性の赤、緑、青の値によって指定されます。
画像形式から生成されるモデリングの下絵はEPSコマンドで記述できません。このため、このようなエンティティはEPSファイルのグラフィック情報に加えることはできません。
[黒の出力モード]:次の3つの項目のうちの1つをこのメニューから選択します:
[RGB]:黒を赤=0、緑=0、青=0 でエクスポートします。
[グレイ]:黒はグレイ=0 でエクスポートします。
[CMYK]:黒をシアン=0、マゼンタ=0、黄=0、黒=1 でエクスポートします。このオプションが使用できるのは[PostScriptの互換性]に[レベル2]を設定したときだけです。
カラー印刷用の図版を生成するときやスポットカラーとして黒を生成する必要があるときは、このオプションの選択が重要になります。このような場合、通常は[CMYK]オプションや[グレイ]オプションが最適です。
[Postscript™の互換性]:[レベル1]オプションを選択すると、EPSファイルはPostscript レベル1をサポートしているPostscript装置で印刷できます。Postscript レベル1はカラー画像やハッチパターンをサポートしていません。レベル1のファイルはレベル2の装置でもサポートされていますが、レベル2のファイルはレベル1の装置では印刷できません。デフォルトは[レベル2]です。