ファイナルギャザリングの使い方
ファイナルギャザリングの使い方
ファイナルギャザリングがシーンに与える効果をテストするために、何回か簡易テストレンダリングを実行してください。画像生成はファイナルギャザリングを追加する前にウィンドウサイズを小さくし、反射、透明度、および他の処理時間のかかる効果をオフにすることで処理スピードを上げられます。経験を積めば、この手順を省略して、すぐに最終レンダリングを実行できるようになります。
すでに説明したように、ファイナルギャザリングは[RenderZoneオプション]ダイアログの[グローバルイルミネーション]タブにある[ファイナルギャザリングの使用]チェックボックスを選択することでオンになります。アンビエントオクルージョンと同様に、[シーンサイズ]メニューから適切な項目を選択することが重要です。不適切な選択をすると、レンダリングの質が悪くなったり、質がほとんど上がらないわりにレンダリングに時間がかかりすぎるようになるため、[シーンサイズ]メニューの選択はファイナルギャザリングにとってさらに重要になります。[品質]メニューから、まずは単純なテストレンダリングのために低い設定を選択します。[ファイナルギャザリング]タブにある[詳細レベル]メニューには適切な値を設定する必要があります。このメニューでサイズパラメータを設定し、間接光源から影を落とすためにオブジェクトやオブジェクトの一部の大きさをどれくらいにするか指定します。このサイズを小さくすると、実行しなければならないファイナルギャザリングの処理が増え、レンダリングにかかる時間が長くなります。このメニューでは自動で選択する4つのレベルと任意の値を入力するオプションがあります。自動で選択するレベルのサイズは[シーンサイズ]メニューの設定値に基づいて決まります。そのため、たとえば、幅100フィートのシーンをレンダリングするのに、[シーンサイズ]メニューで[小さいオブジェクト]を選択すると、自動で選択するレベルにとても小さすぎる値を設定し、レンダリングで無用に長い時間がかかります。詳細レベルが必ずしも間接光から影を落とせるシーンで1番小さいサイズではないことを理解しておくことは重要です。
たとえば、家具がある部屋のレンダリングでは、フイナルギャザリングが椅子の背にある細い横木から落とす影を計算することより、むしろ椅子全体を計算することが重要になります。そのため、適切な詳細レベルは1"よりも12"ということになります。アンビエントオクルージョンはコントラストの微細な部分を非常に効率よく計算できます。また、通常はファイナルギャザリングを追加します。図1.6.4はファイナルギャザリングを使用していない室内空間のレンダリングです。図1.6.5はファイナルギャザリングをオンにしたレンダリングです。このレンダリングでは、[シーンサイズ]に[部屋(6m)]、[品質]に[2]、[詳細レベル]に[2]を設定しています。結果として、シーンの全体的な明るさを生成するのに十分な簡易レンダリングとなります。
図1.6.6の最終レンダリングでは、1回目のファイナルギャザリングのレンダリングでシーンにライトを追加する必要があると明らかになったため、[環境光]がデフォルトの10%から40%に増えています。最終レンダリングは[コントラスト]に100%、[コントラストの追加]に25%を設定した[アンビエントオクルージョン]もオンにしています。[ファイナルギャザリング]の設定では、[品質]を[3]、[詳細レベル]を[3]に上げています。ファイナルギャザリングで計算した間接光源は[ファイナルギャザリング]タブにある[出力のスケール]パラメータを増やして人為的に増幅しています。しかし、このパラメータは乱用しないでください。200%を超える値を設定すると、リアル感のない画像を生成します。


