環境光源
環境光源
環境光源は画像をベースとして明るさを決定します。環境マッピング(「環境の設定」セクションを参照)と同様に、仮想的な立方体や球を作成し、画像をマッピングします。マッピングされた画像のそれぞれのピクセルから光が照射されます。光の強さはマッピング画像のピクセルの明るさによって決定されます。その結果、明るい画像と対面するエリアは明るくなり、暗い画像と対面するエリアは暗くなります。この手法では、マッピング画像が暗い場合でも光がわずかに照射されるため、全体的に微妙なシェーディングが実行され、結果として非常にリアルな画像が得られます。このライティングテクニックは写真を背景として前面にコンピュータグラフィックス画像を配置する場合に、非常にリアルなレンダリング結果を作成することができます。図5.7.1は4種類の環境光源でレンダリングした例です。異なるマッピング画像を使用すると異なる光源となるため、レンダリングされた結果も大きく異なります。
この新しいライティングテクニックを実現するため、HDRIおよびOpenEXRと呼ばれる2つの新しい画像ファイルフォーマットが追加されました。TIFF、BMP、JPEGなどの一般的な画像ファイルと異なり、High Dynamic Range Images(HDRI)画像は純粋な白よりも明るい色を表現することができます。たとえば、TIFFフォーマットの色の範囲は黒(R=0, G=0, B=0)から白(R=1, G=1, B=1)までの値をとることができます。RGBがそれぞれ1を超えるような色は存在しません。一方、HDRIにおいては、それぞれの最大値が1を超えることができます。たとえば、R=25, G=25, B=25は光源を直接見たときや極端に強いハイライトなどの非常に明るい色を表します。この画像をレンダリング結果としてみた場合には、いずれの色も同じ白色として表示されます。しかしながら、この画像が環境光源のマッピングファイルとして使用された場合、それぞれのピクセルが持つRGB値は、正しい明るさの強度として利用され、高い品質のレンダリング結果を得ることができます。







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