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formZ 10 発売のご案内


Appleシリコンチップに対応した待望のformZ 10がいよいよ発売開始となります。
formZ 10の新機能についてはこちらをご覧ください。

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V-Ray6 for formZ 発売のご案内


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ラジオシティの使い方(ファイナルギャザーサポート、ハイブリッド、ピュア)

ラジオシティの使い方
(ファイナルギャザーサポート、ハイブリッド、ピュア)

精度が高いラジオシティ解析を計算すると、負荷が大きくなる場合があります。ラジオシティ解析ではメッシュパッチの光の強さの計算量が膨大になります。パッチでは多数の点がランダムに選択されます。各点から光線がシーンの他のすべてのパッチの頂点に投射されます。光源となる1つのパッチからすべてのパッチに対する照射を反復といいます。選択された点と頂点の間隔により、他のパッチが受けるエネルギー量が決定されます。光の強さは光が伝わる距離の2乗で減少します。選択されたすべてのパッチがシーンの他のすべてのパッチを照射するには、n×n回の反復を実行する必要があります。 ここでのnはシーン中のパッチ数を示します。これにより、処理は指数関数的に増加します。つまり、シーン中のパッチ数が2倍になると、反復回数は4倍になります。数千のパッチで構成される密度が高いメッシュでは、パッチの光の強さの処理に必要な時間が大幅に増加します。したがって、パッチの量を最小にすることが重要です。

ラジオシティ解析の精度はすべての有効な光源から最初に放射された光量のうち、パッチが吸収する光の割合により測定します。ラジオシティ解析の計算は線形処理ではないため、たとえば70%の精度のラジオシティ解析は比較的短時間で処理が終了しますが、80%に精度を増加すると大幅に時間が増加します。精度が100%に近づくほど、必要な時間も増加します。

ラジオシティには3つのまったく異なる使用法があります。最も重要なシナリオである1つめはRenderZone表示モードのファイナルギャザリングをサポートすることです。2つめはハイブリッドな使用法です。これは、ラジオシティがシーンの二次光源を生成し、レンダリング時に各ピクセルに一次(または直接)光源を生成します。3つめはラジオシティ解析を素直に使用する方法で、メッシュを直接レンダリングし、事前に計算した各パッチの光を表示します。ラジオシティは、通常、ファイナルギャザーサポートだけで使用します。ファイナルギャザーサポートは設定が簡単で、残りの2つの方法で発生する欠点や問題のほとんどが発生しません。3つの使用法の概要があるセクションは次のとおりです。「ラジオシティの共通パラメータ」セクションまでは3つの方法すべてに当てはまる一般概念を説明します。これは全ユーザー向けの内容になっています。「ラジオシティの共通パラメータ」セクションの[ファイナルギャザーサポート]オプションの説明をしている部分だけは一般的なユーザー向けの内容です。「ラジオシティの共通パラメータ」セクションにある[直接光源をレイトレーシング][ピュアラジオシティ]についての説明は読み飛ばしても構いません。「ラジオシティの共通パラメータ」セクションで「終了条件タブ」「プレビュータブ」「統計タブ」というタイトルがついている部分も一般的なユーザー向けの内容になっています。「ラジオシティ属性の設定」セクションと「ラジオシティレンダリングの範囲の設定」セクションではラジオシティ解析の最適化についての重要な説明をしています。

1つめの方法であるファイナルギャザーサポートは粗いラジオシティ解析を作成しようするだけです。ここでは短時間で光を生成します。メッシュをかなり粗くすることができるので、解析処理に長い時間をかける必要がなくなります。ラジオシティがシーンの至る所に光を分布する場合は、これで十分にファイナルギャザリングのレンダリングの役に立ちます。残りの2つのラジオシティ解析方法の高度なパラメータの多くは、この場合には適用しないので表示しません。ファイナルギャザリングを適用しないシェーディング(フルモード)のプレビュー用のレンダリングの場合、メッシュパッチのサイズが大きいため、ラジオシティメッシュは不正確なシェーディングや粗い影を表示します。ファイナルギャザリングはこのようなアーティファクトを除去するので関係ありません。ファイナルギャザーサポートで生成されるラジオシティ解析は図6.0.5のプレビューレンダリングと図6.0.6のファイナルギャザリングのレンダリングに示されています。

図6.0.5:ファイナルギャザリング向けラジオシティ解析の
プレビューレンダリング
図6.0.6:図6.8.0.5と同じラジオシティ解析を使用した
ファイナルギャザリングのレンダリング

2つめの方法はラジオシティで計算した二次光とレンダリング時に計算した一次(直接)光源を合成します。直接光源からの影の境界はレンダリング時に計算するので、ラジオシティメッシュを粗くすることができます。RenderZoneでファイナルギャザリングをサポートするまでは、この方法が写真のようにとてもリアルな画像を作成する場合の推奨方法でした。この方法はまだサポートされていますが、今となってはあまり重要ではありません。使用法の詳細については、このマニュアルの「直接光源をレイトレーシングのオプションタブ」セクションを参照してください。

3つめの方法ではラジオシティで一次光源と二次光源を計算します。直接光源からの影の境界に沿って細かいコントラストを生成するには、ラジオシティメッシュがこの部分で非常に細かくなっている必要があります。このため、計算時間は長くなります。この方法はすべてのパラメータを使用してラジオ解析を制御したい場合のために用意されています。この方法は通常の使用を目的としてはいません。使用法の詳細については、このマニュアルの「ピュアラジオシティのオプションタブ」セクションを参照してください。