アニメーションコントローラ関数
アニメーションコントローラ関数
アニメーションコントローラ関数はアニメーションのトラックごとに値を計算します。トラックのデフォルトのコントローラ関数はベジェ補間関数です。ベジェ補間関数の代わりや追加で他のコントローラ関数を使用できます。アニメーションコントローラはトラック値が時間の経過とともにどのように変化するかを制御するので、アニメーションの時間値またはフレームごとに計算された1つの値が存在します。コントローラには数式に基づいて値を計算するものと、固定値間の補間方法に基づくものがあります。コントローラ関数は何らかの入力パラメータ値(通常、時間もパラメータです)を計算するアルゴリズムで構成されます。
コントローラをトラックに追加するには[アニメーションエディタ]パレットのトラックを右クリックして[コントローラーの追加...]を選択します。トラック名の横にある三角形をクリックすると、トラック値を現在制御しているコントローラが表示されます。デフォルトはベジェコントローラです。[コントローラーの追加...]をクリックすると、トラックに追加するコントロールを選択するためのダイアログが開きます。[アニメーションエディタ]パレットのコントローラを右クリックして[削除]を選択すると、コントローラをトラックから削除できます。
コントローラを他のコントローラの上に「スタックする(重ねる)」ことができます。つまり、入力値の1つが別のコントローラの結果であり、その値が新しい結果を計算するため、コントローラに使われます。このようにして、サインコントローラとノイズコントローラを既存のコントローラとスタックできます。この効果を以降に示す例で確認できます。
ベジェコントローラ
このコントローラは時間値のペアからなる一連のコントロールポイントをユーザーに提供します。このコントロールポイントはベジェ補間によって線で結ばれます。ベジェ補間は各キーコントロールポイントのペア間にスムーズな遷移を作成します。リードコントロールポイントはキーフレームポイントでのシャープ/ スムーズな遷移を制御するだけでなく、値の変化をどのくらい速くまたは遅く発生させるかも制御できます。ベジェコントローラ関数に関連するオプションは[アニメーションエディタ]パレットに組み込まれています。[アニメーションエディタ]のグラフを使って、すべてのアニメーショントラックのベジェコントロールポイントを簡単に操作できます。たとえば、コントロールポイントの種類を変更したり、コントロールポイントの値をグラフィカル/数値的に変更することができます。下図はベジェコントローラ関数で制御された6つのトラックを持つオブジェクトの例を示しています。

正弦波コントローラ
このコントローラは正弦関数の形で、時間の経過とともに値が変化します。必要に応じてオブジェクトの動作を正弦関数に基づく動作で定義できます。このタイプの動作は揺れるオブジェクトの振り子運動や振動の繰り返しをアニメーション化する場合に便利です。振幅、期間、時間と値のオフセットなどのパラメータを制御できます。下図はY回転トラックに正弦波コントローラを使用した時計の振り子の例です。



正弦波コントローラは別のコントローラにスタックしたり、単体で使用することもできます。正弦波コントローラを別の動作にスタックすると、オリジナルの動作が波状になります。たとえば、垂直方向に上下するオブジェクトの動作に正弦波フィルタを追加すると、オブジェクトが上下している間、その高さが振動します。正弦波コントローラはグラフ上に純粋な形で描画され、Z座標トラックに効果を与えます。
[正弦波コントローラオプション]ダイアログは[ アニメーションエディタ]パレットで階層リストの正弦波コントローラを右クリックし、[コントローラオプション...]を選択すると開きます。ダイアログのオプションは次のとおりです。
[開始時間]:オンの場合、その値は正弦関数の開始時間を示します。
[終了時間]:オンの場合、その値は正弦関数の終了時間を示します。
[振幅]:正弦関数が到達する高さです。
[期間]:完全な振動1回分の時間です。
[時間オフセット]:正弦関数の水平方向の移動量です。
[値オフセット]:正弦関数を垂直方向に移動量です。

ノイズコントローラ

このコントローラは元の値からランダムにオフセットした値を生成することで、時間の経過とともに値が変化します。これにより、アニメーションする動作にランダム性または凹凸のエレメントを追加できます。ランダム性の強さや頻度の変更が可能です。カメラにランダム性を追加することで、揺れや地盤振動をシミュレーションすることができます。点滅するライトにノイズを追加してもよいでしょう。移動オブジェクトにノイズを追加する例は、右図に示します。でこぼこの地形をシミュレーションするために、その回転トラックと位置トラックに対してノイズが追加されています。
[ノイズコントローラオプション]ダイアログは[アニメーションエディタ]パレットで階層リストのノイズコントローラを右クリックして、[コントローラオプション...]を選択すると、開くことができます。ダイアログ内のオプションは次のとおりです。

[開始時間]、[終了時間]:[正弦波コントローラオプション]ダイアログのものと同じです。
[速度]:このフィールドの値はノイズの最大許容ディスターバンスの規模を示します。このフィールドはコントローラに適用されているトラックの単位を使って表示されます。トラックが距離(位置)を示している場合、距離値が表示されます。トラックが角度(回転)を示している場合、角度が表示されます。
[頻度]:このフィールドの値は新しいディスターバンスが発生する頻度を示します。
コントローラがトラックを持つ場合
コントローラ関数自体が時間に関して変化するような関連付けされたパラメータを持つ場合があります。つまり、コントローラはこのようなパラメータに関するトラックを持つこともできます。トラックはそれぞれ独自のコントローラによって順々に制御されます。妥当な結果を得るために通常は2レベル以上の深さのネストは必要になりませんが、ネストは無限に続けることが可能です。
